埼玉県防除所から依頼され、梨に被害を与えるムシの数を調べています。
(平成11年4月1日〜始まりました)
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■病害虫防除所と農家との連携
農家:梨には、いろいろな害虫が集まります。
予察灯や、トラップに集まったムシの誘殺数を調べ、報告します。
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病害虫防除所:定期的に、作物の病害虫の状況を見に来てくれます。
(黒星病・赤星病・アブラムシ・ダニetc)
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病害虫の発生状況を把握し、情報を作成。
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農林振興センター等、県・市町村の農業団体関連機関へ、
情報提供
(発生予報・警報・注意報として)
・埼玉県病害虫防除所メールサービス情報(普通作物・野菜・果樹・茶)
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★ 県東部の情報発信は、春日部内牧から
予察灯の設置場所は、埼玉県北部上里町、久喜の試験場、県東部のここ春日部市内牧の3ヶ所だそうです。
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☆春先から気温の上昇に伴い、害虫も増加してきます。ヒャクトリムシなど、虫も大きくなり、大量発生すると薬剤の効果も悪くなります。
毎年続けてムシの数調べをすることで、ムシの増え始め等が予想できるようになります。
早いうちの適期防除をするための参考資料⇒地域ぐるみで農薬の散布を減らせるように、お手伝いをさせてもらっています。
5日間の合計が10頭以上の時は、防除所に連絡⇒注意報につながることもあります
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■2つの方法で調べます |
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1:予察灯をつけ、光に集まるカメムシを調べます。
(白色灯を点ける時間:夕方pm6:30〜翌朝am6:30)
4月1日午後6時半
畑の真ん中に、青白い灯りがつきました。予察灯です。
翌日の朝6時半まで灯りがともり続きます。 |
カメムシは夜行性です。
夜、光に集まる虫たちの習性を利用し、光に寄ってきたところを、円錐形のドラムから滑り落ち、機械の下の容器に集まる仕組みです。
200Wの白色灯の明かりは強く、カブトムシやカミキリムシ、大きな蛾、時にはゴキブリも。たくさんの虫の中から、カメムシだけを拾い出して数を調べます。
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■スギ花粉とカメムシの発生状況との深い関係
スギ花粉の多い年:スギ花粉が多く飛び、花粉症の方が、とてもつらい年です。 ↓ スギの実(球果)が多くつく ↓
最も発生が多いチャバネカメムシは、たくさんのスギの球果(最も好きなのはヒノキの球果)をえさとするため、豊富な餌で元気になるそうです。また、多くの成虫が冬を越すため、翌年の発生が多くなると予想されるそうです。
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カメムシの大好物=ヒノキの球果(きゅうか)
ヒノキがなくなる
↓
スギの球果・・スギの球果がなくなる
↓
桐(きり)・梨などの果実etc
↓
カメムシが餌を求めて果樹の方へいくそうです。
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★3種類のカメムシ :カメムシは細い針のような口をさして、果実の汁を吸います。 カメムシの被害を受けた実は、かたく、ジャガイモのようにボコボコになってしまいます。 |
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アオクサカメムシ
すべて緑色の光沢があります
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クサギカメムシ 全体が、茶色です。 関東に、多く生息するとされます |
チャバネアオカメムシ 全国に分布し、カメムシの8割がこの種類といわれます |
越冬場所:常緑広葉樹の樹幹内の葉の込んだ部分 |
軒下や壁の隙間、積み上げた紙袋の間など |
広葉樹の落ち葉の下
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卵:1回の産卵でチャバネアオカメムシは14卵、クサギカメムシは28卵、たくさんの卵を産むそうです。脱皮を繰り返し、成虫のなるとされます。
寿命は1年とききます。水を吸うだけで、1ヶ月は生きられるという生命力。
臭い臭いの元は、お腹中間部からとか。
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☆☆カメムシ対策☆☆
@梨畑にムシが入らないように、網を掛ける A梨の実に袋をかける
B越冬するであろう場所の落ち葉をはきよせ処分する。etc
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■予察灯をつけ、光に集まるカメムシを調べます。 (白色灯を点ける時間:夕方pm6:30〜翌朝am6:30)
200Wの白色灯の明かりは強く、たくさんの虫達が集まります。「ちょっとひとやすみ」とすり鉢上のお皿に、触ったら最後、直径1.5cm位のホースをすべって容器の中へポトリ。底には殺虫剤が待っています。 |
★予察灯の機械の中
1容器:三角柱の形の容器
上から見ると、丸いケーキを7等分(1週間分)に分けた形
2管:雨水が流れるように、管がある
3金網:管がつまらないように、底に敷く
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パナプレート:予察灯に集まってきたムシを殺す薬。
劇薬とのことで、素手では触らないようにします。 |
容器のキャップには、下げる針金がついています。
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内側に紙袋と薬入りの容器を入れ、セットします |
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容器の先端を小さい穴に 差し込み、取り付けます |
下には、タイマーがついています |
200wのは白色灯がつ き、セット完了です |
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